家族葬とは、遺族や親せき、友人など近親者のみで行う葬儀のことで、1990年頃から始まった比較的新しい葬儀です。その規模も5人以下の場合や、知人・友人なども参加する50人規模の場合もあります。家族葬には特別な決まりはありませんので、一般葬のような家族葬にすることもできます。
そして、一般葬とは、近親者だけでなく知人・友人から、会社関係者などを招いて行われる葬儀のことを言います。家族葬と一般葬が異なる点は、参列者に一般会葬者が多く含まれるかどうかということです。一般葬は、家族葬よりも費用がかなりかかってきますが、故人を華やかに送りたい、生前の功績などを称えたいという場合に向いています。
直葬の場合は、一般葬や家族葬のように、通夜や告別式などを行わず、火葬のみで行う葬儀のことを言います。近親者や友人のみで執り行うケースが多く、費用も非常に安く時間が軽減できるという利点があります。直葬は、2000年以降都市部を中心に増加傾向にあるようです。
では、家族葬にかかる費用はどれくらいなのでしょうか。一般的に、お布施を除いて30万円から100万円になることが多いでしょう。
家族葬は、一般葬とやることは変わりませんので、僧侶へのお布施や斎場使用料といった費用面ではあまり差がないことが特徴です。寺院に支払うお布施の費用の相場は約45万円となり、一般葬・家族葬に関わりなく大体の値段が決まっています。
また、多くの葬儀社では、家族葬プランなどを提供しており、費用の相場は約50万円程度となります。ですが、一般葬に比べると参列者の人数が少なく、飲食費や返礼品といった接待費が抑えられるため、全体の費用は少なくなることが特徴です。
反対に一般葬の場合ですと、費用は50万円から300万円になります。参列者の数によって飲食接待費が大きく変わりますが、葬儀費用の平均的な相場は約150万円です。さらに、一般葬の特徴として参列者から香典を受け取ることが多いため、香典で葬儀費用の多くを賄える場合があります。
現在、日本のお葬式で一番多く行われているのは、一般葬で全体の42%を占めています。次に多いのは家族葬で全体の32%を占め、直葬は16%を占めていると言われます。
ですが、この割合は都心部と地方で異なってきます。関東地方や近畿地方の大都市圏では、家族葬を含めた小規模な葬儀を希望する場合が多く、なんと全体の7割までに上がっています。
反対に、昔からの習慣がある地方では一般葬が選ばれる率が高く、東北地方では全葬儀の内一般葬が7割強を占めます。また、中国・四国地方でも、一般葬の割合は6割、家族葬は2割程度となっています。九州地方でも一般葬が全体の6割、家族葬は3割となります。
特に人口が減り、家族のライフスタイルも変化する中で、周囲との社会的なつながりが重視されなくなってきた現代では、親しい関係者のみを招くという家族葬の割合はこれからも増々伸びていくでしょう。特に大都市圏では、家族葬に対する抵抗が薄く、受け入れられやすいといった特徴があります。
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