「一日葬(いちにちそう)」とは、通夜を行わずに告別式のみを行う葬儀の形式です。
かつて葬儀は、通夜を行った翌日に告別式を行い火葬するという流れが一般的でした。ところが、葬儀の縮小化や新型ウイルスの流行などの影響を受けて通夜を行わない形の葬儀が選ばれるようになりました。
通夜と告別式で集まる顔ぶれが変わらないという場合は、一日だけにしてその分ゆっくりと丁寧にお別れをしたいと考える方が増えています。
また、葬儀の期間が短くなることによって精神的・体力的負担は少なくなります。
この記事では、一日葬の簡単な流れやメリット・デメリット、注意すべきポイントなど、一日葬について解説していきます。
家族葬・一般葬・直葬など、葬儀の形式にはさまざまな名称があり、違いが分かりにくいものもあります。
ここで違いを簡単に説明します。
■家族葬とのちがい
家族葬は、葬儀にお呼びする人を喪主が選んで、限られた人だけに葬儀に参列していただく形式です。
したがって、通夜を行わずに少ない人数だけお呼びする葬儀を行えば「家族葬で、一日葬」ということになります。
家族葬についてはこちらの記事もご覧ください。
家族葬とは?|日比谷花壇のお葬式>>
■一般葬とのちがい
一般葬は、訃報(逝去についてと葬儀についてが記載されているおしらせ)を広くお配りして、より多くの方をお呼びする葬儀の形です。
したがって、通夜は行わないけれど、多くの人に来てもらうという形式は「一般葬で、一日葬」になります。
ただし、会社関係の方などをお呼びする場合、より都合のつきやすい通夜を行った方が、多くの方にご参列いただけます。
一般葬についてはこちらの記事もご覧ください。
一般葬とは?|日比谷花壇のお葬式>>
■直葬とのちがい
「直葬(=ちょくそう)」も一日葬同様に葬儀の縮小化とともに選ばれるようになった葬儀の形式です。
式場で通夜・告別式を行わずに直接火葬場へ向かいます。火葬炉の前のスペースでお別れの時間を持ち、故人さまを荼毘に付します。告別式という形でお別れのセレモニーを行う一日葬とは大きく形の異なる葬儀です。
直葬について詳しくはこちらの記事もご覧ください。
直葬とは?|日比谷花壇のお葬式>>
各葬儀の形式について、こちらの記事でも解説しています。
葬儀の形式とその名称はどのように決まっているのか|日比谷花壇のお葬式>>
一日葬は通夜を行う葬儀と流れはほとんど変わりません。
ここでは簡単に、葬儀の流れとそこで何を行うのかを紹介いたします。
■事前相談
日比谷花壇のお葬式では無料の事前相談を承っております。
葬儀のことを亡くなる前に相談するなんて不謹慎だ、縁起でもないと思われるかもしれませんが、事前に相談することは一般的になってきています。むしろ、あらかじめ複数社で見積もりをとっておいたり、葬儀の流れについて説明を受けておいたりすることによって落ち着いて最後のお別れを迎えることができます。
事前相談についてはこちらのページもご覧ください。
事前相談|日比谷花壇のお葬式>>
■逝去・お迎え
病院で亡くなった場合は病院の霊安室へ、ご自宅や施設で亡くなり、死亡診断書がない場合は警察へまずは搬送されることが多くあります。病院や警察にて葬儀社から声をかけられることがあるかもしれませんが、事前に葬儀社を決めている場合は「葬儀社を決めています」とはっきり断っても失礼にはあたりません。
その場で葬儀社に電話をかけ、お迎えのお願いをします。早朝・深夜でもすぐお迎えにあがりますので、安心してご連絡ください。
■ご安置・打ち合わせ
ご自宅や施設にて、故人さまにお休みになっていただく(=防腐処置を行ってご遺体を保管しておく)ことを「安置」といいます。
スペースや環境が整っていればご自宅で、そうでなければ専用の安置施設でお休みいただきます。
夜間や早朝であれば一度ご家族にはご帰宅いただき、その後葬儀の打ち合わせを行います。
打ち合わせでは訃報紙の作成から葬儀の日程決め、葬儀に必要なものの内容を決めていきます。
葬儀の会場と日程は火葬場の混雑状況やご家族の状況に合わせて決めます。葬儀場と火葬場の予約は葬儀社が行います。
■告別式・出棺
宗教者をお呼びする場合は宗教儀式を行います。
そうでない場合は「無宗教」という形式で葬儀を行います。どちらにせよ、故人さまを偲んで最後のお別れの時間を過ごします。
葬儀が終了したら、火葬場へ向けて移動(出棺)します。
火葬場ではゆっくりとお別れをすることはできないので、ここで最後にゆっくりとお別れをしてお棺の蓋を一度閉めます。
■火葬・精進落とし
施設によって時間には幅がありますが、火葬には1時間前後かかります。
その間に軽食をとる場合もあります。
火葬が終了したらご遺骨を骨壺に納め、葬儀は終了となります。
一般的には精進落とし(食事)にむかいますが、近年は行わない場合やお持ち帰りの弁当の形式にするご家族も増えています。
一日葬の詳しい流れについてはこちらの記事もご覧ください。
一日葬の詳しい流れ|日比谷花壇のお葬式>>
通夜を行わないことで負担が軽くなる一日葬ですが、おもわぬトラブルから葬儀の後に体力を削られてしまったら元も子もありません。トラブルは未然に防ぐことができます。
■菩提寺に確認をする
菩提寺(=ぼだいじ)とは、先祖代々の墓がある寺のことです。納骨をするお墓が決まっている、また墓を建てる予定の寺が決まっているという場合には、その寺の住職に確認を取っておきます。お寺の考え方によっては、通夜を行わなかったご遺骨はそのお寺に納骨ができない場合があります。葬儀で読経を依頼する際に、一日葬である旨は必ずお伝えください。
■ご親族にも伝える
ご親族の中には、通夜を行わない形式に対して否定的な方もいらっしゃるかもしれません。考え方は人それぞれです。あとから思わぬ親族トラブルが発生しないように、ご親族には葬儀の形式を説明しておきます。一日葬を選んだ理由も同時に説明できるようにしておくと、いさかいが起きることも少なくなります。ご心配な場合は葬儀の担当者にご相談ください。
■お別れの時間は十分か?よくご検討ください
葬儀にかける時間が短くなるために、負担は少なくなりますが、その分お別れの時間も少なくなります。火葬場でのお別れのみの直葬に比べれば告別式の時間がありますが、それでも少し寂しかった、と感じる方もいらっしゃいます。一日葬だけで、お別れの時間は十分か、よくご検討ください。
■葬儀式場の使用料は変わらない
通夜を行わなくても、前日から式場にご安置いたしますので葬儀式場の使用料は2日分となります。
食事の回数が少ない、参列者の人数が減るという面から経済的な負担は少なくなりますが、金額のウエイトが重い式場使用料に関して大幅に節約できるというわけではないことに注意してください。
■通夜だけに来られる方もいる
通夜とはそもそも故人さまが肉体を伴う最後の夜という宗教的な意味があるものです。現代においては、昼間に行われる告別式と違って夕方に行われる通夜は、仕事や学校のあとでも参列しやすく、より多くの方に最後のお別れをしていただけるという役割があります。通夜を行うことでお別れができる方もいらっしゃるかもしれません。
注意点について、詳しくはこちらの記事もご覧ください。
一日葬の注意点|日比谷花壇のお葬式>>
■メリット
・負担が少なくなる
通夜、告別式それぞれで多くの方にご参列いただくと、あいさつや対応に追われてせわしない時間が過ぎていきます。故人さまのご関係で、喪主さまにとっては初めて会うという方が多くいらっしゃる場合もあります。告別式だけで対応を済ませられるので、体力的にも精神的にも負担が少なくなります。
また、通夜があるために宿泊をする必要が出てくるご親族の方なども、告別式の日に到着していればよいので、参列のハードルもぐっと下がります。
また、通夜での食事(通夜振る舞い)や通夜だけ参列できる方への返礼品など、通夜を行わないことによって一部費用を抑えることもできます。
・最後の夜もゆっくりとお別れ
仮宿泊(仮眠)できる施設は限られてきますが、最後の夜は故人さまと一緒にゆっくりと過ごすことができます。通夜を行えばバタバタと過ぎていく時間ですが、ご家族でゆっくりと、プライベートな時間をお過ごしいただけます。
■デメリット
・お別れの時間が短く感じることも
前日の夜は故人さまとゆっくりすごせる、と感じられる方がいらっしゃる一方で、やはり儀式を行うことによって心の準備ができる、という方もいらっしゃいます。そのような場合は、通夜がないことによってお別れが十分にできなかった、と感じます。また、参列されるご親戚やお知り合いの方にとっては告別式だけがお別れの時間になります。すこし時間が短いと感じられる可能性もあります。
・昼間の告別式だけでは参列できない場合も
前述したように、通夜は夜に行われることから都合がつきやすく、より多くの方に参列していただけるというメリットがあります。通夜をおこなうことによって最後に会うことができた、という場合もあるので、一日葬の開催は慎重に選びます。
・参列人数が多い場合は告別式に収まりきらない可能性がある
参列者が100名単位でいらっしゃることがわかっている場合は、通夜を行って参列者を分散させた方がよい場合があります。通夜と違って、告別式は火葬時間が定められているため、式の終わりの時間が決まっています。参列者があまりにも多いと時間内に焼香などが終えられない、火葬場の予約時間に間に合わないなどのトラブルにつながる可能性があります。参列人数が多い場合は担当者にご相談ください。
香典・供花は両方とも故人さまを想って供えられるものです。
一日葬でも関係なく、辞退の旨が知らされていなければお持ちして問題ありません。
■そもそも香典とは
香典(=こうでん)とは、もともと「霊は香りを食べる」という言い伝えから、死後の世界でも腹を空かせないようにと願いを込めてお供えした線香やお香でした。それが転じて、現在ではお金をご遺族にお渡しします。いただいたお金は葬儀当日の費用に充てられています。
■一日葬の香典マナー
訃報紙に香典辞退の旨の記載がなければ、香典を持参して問題ありません。
葬儀の香典は、新札ではないお札を用意します。新札は「葬儀を予期していた」と感じられるためです。
辞退の旨があった場合は用意しません。返礼品も用意されていないため、むしろ喪主の負担となります。わからないときは担当の葬儀社や喪主さまに確認をします。
相場や宗教別のマナーなど香典に関して詳しくはこちらの記事をご覧ください。
香典とは何か?|日比谷花壇のお葬式>>
■そもそも供花とは
供花(=きょうか・くげ)とは故人さまを想って会場に装飾される花のことです。
会場に飾られている花のアレンジメントに、名札が刺してある場合がありますが、それはその供花を送った人の名前です。
葬儀に参列できないとき、自分の代わりにと送る場合もありますし、葬儀に参列していても送る場合があります。
■一日葬の供花のマナー
訃報紙に供花辞退の旨の記載がなければ、供花を贈っても問題ありません。
供花の申込先は多くの場合訃報紙に記載がありますので、そこに連絡をして申し込みます。
札の書き方はご親族で統一する場合もありますので、担当の葬儀社やご遺族に確認したうえで内容を確定し、連絡をしてください。
供花辞退の旨の記載があった場合は、供花をおくりません。
2024年の調査によると、
2022年3月~2024年3月に日本全国で行われた一日葬の平均費用は87.5万円だそうです。
費用には
・式場使用料
・火葬場利用料
・花祭壇
・棺
・装花
・搬送費
など、葬儀を行うための一式が含まれています。
同じ調査では、各スタイルの総額(飲食費や返礼品費も含む)の平均は以下のようになっています。
家族葬:105.7万円
一般葬:161.3万円
一日葬:87.5万円
直葬 :42.8万円
(「第6回お葬式に関する全国調査」
月刊終活 2024年8月号 / 株式会社鎌倉新書 掲載)
日比谷花壇のお葬式では77万円から承っております。
金額の例はこちらのページでご確認いただけます。
一日葬|お葬式スタイル|日比谷花壇のお葬式>>
また、日比谷花壇のお葬式の料金はプラン制ではありません。
ひとつひとつの商品の金額が明示されており、それぞれの商品の積立式となっています。
費用についてくわしくはこちらをご覧ください。
お葬式の費用・料金システムってどうなっているの?|日比谷花壇のお葬式>>
また、一日葬の費用相場についてはこちらの記事もご覧ください。
一日葬の費用相場|日比谷花壇のお葬式>>
一日葬のマナーは一般的な葬儀のマナーと特に違いはありません。
家族葬で、参列する人が限られている、近しい人だけが参列するという場合はこの限りではなく、喪主の方やご家族の考え方を尊重するとよいです。
一般的な服装のマナーをご紹介します。
■レディーススカート・パンツスタイル
つやのないブラックのワンピースやアンサンブル、パンツスーツを着用します。パンツスーツでも失礼にあたりません。とくに寒冷地域の冬や高齢の方はパンツスタイルの方が温かく動きやすいためおすすめです。
靴は地味な色で、ヒールが高くないものを着用します。
コートや鞄などは華美で大きい装飾がないものを選びます。
■メンズスーツスタイル
ツヤのないブラックスーツを着用します。ネクタイは黒を着用し、靴は黒の革靴を選びます。
鞄やベルトは地味なものを選び、特に仏式の葬儀では殺生を想起させることを避けるために動物革だとわかる小物は使用しません。
■アクセサリー・ネイル
ピアスやイヤリングは一粒の真珠で、ネックレスは一連の真珠のものを選びます。
指輪は結婚指輪以外は着用しません。
ネイルについては、できるだけ落とすか、地味な色のものに変えます。すぐに対応するのが難しい場合は、黒い手袋など着用するやり方もあります。
喪服について詳しくはこちらの記事でも解説しています。
喪服とは何か|日比谷花壇のお葬式>>
日比谷花壇のお葬式は、病院へのお迎えから葬儀の打ち合わせ・進行、アフターサービスまで一貫してお手伝いしております。
お電話による事前のご相談も可能です。
ささいなことでも、初めてのお電話でもかまいません。
フリーダイヤルよりお電話ください。24時間365日受け付けております。
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また、初めて喪主となる方でも安心してご依頼いただけます。
葬儀については「初めての方へ」のページもごらんください。
はじめての方へ|日比谷花壇のお葬式>>
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ご自宅近くの斎場・葬儀場や、ご希望の花祭壇から葬儀の相談を始めることも可能です。
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花祭壇|日比谷花壇のお葬式>>
また、日比谷花壇のお葬式では、一日葬のご依頼を多く承っております。
こちらのページでは、一日葬の料金例などを詳しく説明しています。